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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第12章 薔薇の谷 編


そこから4人は歩いてカザンラク・シティのはずれに向かう


丘の上からはところどころに廃墟となった家屋やら何かの跡が残っているのが見下ろせる


おそらくイバンが語っていた爆撃の跡なのだろう


「こんな山あいに平和そうな街まで戦争があったのね…」


ターヤ〈トラビス〉は寂しそうにつぶやく


「カザンラクは香水の元となる薔薇の栽培のさんちとして知られているんだけど、もうひとつの顔があってね
 昔から大きな兵器工場があってロシア側にも兵器を作っていたし、その反対勢力にも兵器をまわしていたんだ」


それを聞いてターヤ〈トラビス〉は“まるでアナハイムね”と思った

どちらの陣営にも商機の手を伸ばす〈死の商人〉となっていたのだろう

それだけに街が狙われてしまったのかもしれない


「あそこじゃないかしら?」


丘の上の方、見晴らしのよい場所に花壇のようなスペースがあり、トレリスのような飾りの柱がモニュメントのように立っていた

墓には見えないが此処に間違いなかった

此処がイバンが埋葬したラーズの母親ガブリエラの墓なのだろう


ラーズには何の思い入れもない

そして母親が亡くなった実感もなかった



彼が母親の死を知らされたのはすでに軍に入隊した頃であり手紙1枚で母親の死を知らされたのだから


花壇の花はよく手入れされており荒れ果てた雰囲気ではなかった
きっとイバンが訪れているのだろう


きっとこの近くにイバンの暮らす家があるのではないか、とラーズはあたりを見回す


すると眼下に広がる〈薔薇の谷〉の広大な景色の中で煙突から煙が出ている小屋を見つける


丘から降りる一本道


小屋の周りにも家屋があったらしい廃墟が見える

おそらくこのあたりは住宅地のような雰囲気だったのだろう、かつては……


それが今では廃墟のなかでぽつんと残る唯一の小屋となっているようだ


小屋に近づくと低い塀の向こうにあのときの男が立っていた


イバン・バゾフ


彼がアクシズで冷凍カプセルの技術を知っているてあろう男なのであった


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