クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第12章 薔薇の谷 編
「エアジェイ、ところでアンタの情報の腕ききの研究者とかいうのは名前がなんて言った?」
「ラーズ君、腕ききかどうかは知らないよ?
アクシズ出身の研究スタッフが連邦の技術協力を断った人だ、てだけだ」
「ふぅん?どうして誘いを断ったのかは知らないが連邦が勧誘するぐらいだからやっぱり腕ききのんじゃないか?」
諜報員のエアジェイによるとブルガリアで隠遁生活を送っている男の情報があって、〈ストーム〉内の冷凍カプセルのロックを解除出来るんじゃないか?という提案だった
〈ストーム〉のカプセルに眠る何人もの少女たち
ガブリエラによると“キアラのでき損ないのコピーが機体の電池として眠らされている”というものだ
そのガブリエラの言葉にターヤ〈トラビス〉も納得する
自分を助けてくれ他〈成長してしまったキアラ〉も劣化コピーとなってしまったのでカタストロフマシーンの番人として眠っていた、と言っていたからだ
ヨハネス司令は眠れる少女が目覚めてくれたのなら〈ストーム〉をうまくコントロール出来るんじゃないか?と想像していた
そこでヨハネスはラーズにストームを使ってブルガリアへ向かうよう指示したのだ
戦場からデカブツが離れれば母艦ゾーナタも存分に戦えるだろう
ブルガリア沖で待機していたグリメット軍の母艦〈グリメット城〉との合流ポイントまで時間もわずかなため彼らは万一の希望を持って別動隊として切り離したのだ
ローズは再び〈ストーム〉のコックピットルームに座る
かろうじて動かす程度ならコントロール出来るものの、どこに何があるのか皆目見当がつかない
なんなら強力なビーム兵器を味方に撃ち放ってしまいそうだったのでこの巨大な兵器を操る自信はなかった
こうしてブルガリアのバルカン山脈を越え、山あいの小さな街カザンラク・シティへ辿り着いたのだった
4人は小さなカフェに辿り着いた
場所はお店というより露店のようだ
長い階段の途中に位置していてちょうど疲れたときに小休止してくださいと誘われているようだ
エアジェイはここが相手と合流するポイントなのだという
数刻して一人の地元の男が立ち寄った
彼が約束の相手なのか、それともたまたま訪れたカフェの客かわからない
無言の時間があり、男が飲み干して立ち上がる
違ったようだ
4人は一斉にため息をついた
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