クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第12章 薔薇の谷 編
それまで子供らしい無邪気な表情をしていたローズも冷徹な無表情となってしまう
「わたしはお姉さんと会うのは初めてだわ
仮に顔を変えても私には匂いで違いがわかるわ、会った事は無いわね……
それにわたしの顔に良く似た女の子なら知っているわ、死体の姿だったけどね?
月から降りて来たときに亡くなってしまったそうよ? 残念ね、お姉さん」
トラビスは顔が強張ってしまっていたが何とか気力で目の前の少女の問いかけに応える
「そうなの? 初めましてお嬢ちゃん
お友だちを失ってしまって残念ね、
私も会いたかったわ
ところでそのお友だちにはママは居なかった?あなたとそっくりな顔だちの!
わたしその人にどうしても会いたいのよ」
すると無表情だったローズが突然けらけらと笑い始めてしまった
「ママ? ママですって!?
あぁ、笑える
あなた何を言っているの??
わたしたちは〈クローン〉なのよ?
ママなんているわけないじゃない!
オトナの姿の私に会った事があるですって?
世界中でお父さまが探し出してくれた姉妹たちはみんな同じ姿なのよ!成長したわたしたちなんて今まで会ったことも無いわ!
お姉さん、何を言っているの?
あなたが出逢ったのはいったい誰なの?」
ローズは一方的に話し終えると気分を害したのか食堂を出ていってしまった
ラーズが慌てて追いかけていった
ターヤ〈トラビス〉は呆然と立ち尽くしてしまう
「あの子が……〈クローン〉ですって?
……ほんとうに?」
そばに近付いたガブリエラはターヤを抱きしめてやる
「本当に信じられない話しよね?
私は月でふたりのキアラと会ったわ
短い期間だったけど一緒に生活していた
それより気になるのはあなたが会ったことかある女性の話しよ?
オトナに成長した姿のキアラに会ったことがあるの?」
「わたし……てっきりこの艦に来ればあの人に再会出来ると思って……、残念だわ……
それに、
あの子を傷つけてしまった……」
トラビスはひどく落胆してしまったのだった
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