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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第12章 薔薇の谷 編



「どうだい? 応急処置できそう?」

「ロシア製だからな、意外と丈夫なんだよ、多分パッキンが劣化してんじゃねーか?
 おい!誰か俺の工具箱持ってこい!」

数名の若いメカニックマンが脱兎のごとく奥へ走っていく
残ってる野次馬メカニックたちは「ええ?直せるのか?さすが爺さんだなー!」と口々に軽口を叩いて珍妙な来訪者を囃し立てていた


「ニルスチーフの骨董趣味に火が着いたようだ、長くかかりそうだ
 どれアンタたちは食堂のほうでゆっくりするといい!
 おっとこれでも一応軍艦だからな?
 食堂とトイレ以外は立ち入らないでぬれたまえ?私は艦長のマイケル・ホーンキスト
 ようこそ連邦軍ゾーナタへ!」


こうしてゾーナタは突然の来訪者を受け入れることになったのだった



食堂には多くのクルーが集まっていた
もちろんその環の中心はターヤとエアジェイのヘイル姉弟だ

美人で愛嬌のある明るい姉と寡黙ながらも童顔で優しそうな弟にクルーは皆興味津々なのだ


「へぇ?アンタらも北欧出身なのかい?どうしてわざわざこんな黒海まで飛んできたんだ?」


「フィンランドのお金持ちがどうしてもチャーター旅行したいって言うのよ!私たちの飛行艇ってアンティークじゃない?お金持ちが好きなのよね! イスタンブールで客を降ろして帰ろうと思ったら突然海の上で警告ブザーが鳴ったときはもうダメかと思ったわ!」


おもしろ可笑しく話すターヤの話術に皆は笑顔になる

「コーヒー飲み過ぎちゃったよ、ちょっとボクはトイレを借りてくるね?」

物静かな弟エアジェイは姉の話しが区切るまで我慢していたらしい


「なら、わたしが案内しよう!ちょうど私も行きたかったところでね!」

そういってヨハネス司令も立ち上がった


「司令官が行くのなら私も司令を警備しなければいけないかな?」
ホーンキスト艦長までも立ち上がった


「おいエアジェイ!うちのお偉いさんふたりと連れションなんてオレたちでも行ったこと無ェぜ?VIP待遇だよ!?」


食堂の皆は大笑いして3人を見送った


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