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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第12章 薔薇の谷 編


ラーズたちは通路の途中にある艦内通信でブリッジに連絡してからゾーナタ後方の格納庫へ向かう


すると向こうからガブリエラが待ち構えていた

「ローズちゃん!探したのよ?原因がわかりそうだから戻ってきて頂戴!」

「ガブリエラ、飛行機が来たんだってば!」

「飛行機は俺が見てくるからお前は解析のほうに戻れ!ガブリエラあとは頼んだぜ?」


そう言うとラーズは他のクルーを率いて走り去ってしまった


「あーあ、私も見に行きたかったのになぁ」

ローズは落胆してガブリエラとともにシュミレーション訓練に戻るのだった



ラーズが階段を何層も降りて下部の格納庫へ行くと既にカタパルトは開いていて滑るように水上飛行機が着艦してきた


両翼の下にフロート付きの車輪が甲高い音をたてて派手に着艦した


「えらくレトロな飛行機だな?」

「あれは観光用じゃないか?うちの地方でも島から島へ移動するのにあんなの使うんだ」

「ホントだ、ボディに〈ヘイル姉弟航空〉てペイントしてあるぜ?」


「ありゃあ〈ベリエフ〉じゃねぇか?懐かしいな、ワシが若いときはよく見かけたもんだがまだ現役の機体なんてあったんじゃな?」


「えぇっっ!?ニルスチーフの若い時からあったの!?アレ!骨董品じゃねぇか!?」


メカニックマンがガヤガヤと野次馬のように集まっている


ラーズから遅れて数刻ヨハネス司令とホーンキスト艦長も降りてきた


エンジンが止まったあとも余韻の振動をしている


バン!と簡易的な鉄板のドアが開くと2人のパイロットが降りてきた


ゴーグルとマスク、そして飛行帽を抜き取る

そこから予想外に金髪の長い髪をなびかせた美女が現れた


「着艦許可ありがとう!わたしはターヤ!こっちは弟のエアジェイ!助かったわ、急に計器が壊れちゃって!」

エアジェイと呼ばれた男の方はペコリと頭を下げただけで言葉を発しなかった


「俺はメカニックチーフのニルスだ、燃料タンクの近くから黒い油が見えるぞ?漏れ出てんじゃねぇか? 古い機体だからなぁ」


老整備士のニルスは機体の底を覗き込んでいるところを若い司令官ヨハネスが興味深そうに立ち会う

意外なことにニルスとヨハネス
年齢は違えどふたりの付き合いは長い
古くからの戦友同士であった




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