テキストサイズ

クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第11章 眠り姫  【過去編】


ハルフォードのコックピットのモニターにはモビルスーツの足元から上目遣いに睨見つけてくる女、キアラの顔がアップになる


まるで“降りてきなさいよ!”と言ってるかのような睨みだ


ハルフォードはその期待に応えてやろう、とモビルスーツ腹部のハッチを開けた


上と下にパカッ!と開くハッチ


キアラが下から見上げてパイロットの顔を覗き込もうとした瞬間、

すかさずモビルスーツは屈んで腕を振り下ろしてきた!


まるでキアラの身体ごと雪原に叩きつけるかのような動き!


キアラは何とかモビルスーツの右の拳をかわしたものの、次の左手が迫って来ることに対応出来なかった


捕まった!


モビルスーツの巨大な指が華奢なキアラの身体を締め付けてくる!


バキバキッッ!と何処かの骨が砕けた音がする


キアラの顔が苦痛で歪む


それでもハルフォードは繊細な指の操作で握り潰してしまわないギリギリの力で締め上げていく


まるでロボットの指で生卵を割らないように掴むかのようなハルフォードの卓越したコントロール


モビルスーツの左手はゆっくり上昇させ、コックピットハッチの高さまで持ち上げた


コックピットの中に鎮座するハルフォードはパイロットスーツ姿ではなくラフな部屋着のスタイルだ
基地の緊急警報で叩き起こされてきたようだ


キアラはハルフォードの顔を睨みつけた


「キアラッッ!! 無駄な事にエネルギーを使うなッッ! お前には与えられていた本来の任務があった筈だッッ!!

 カタストロフマシーンの任務を放棄するつもりかッッ!!

 わたしは何年も前からお前とマシーンを探していたのだッッ! お前の能力をくだらんことで消費するなッッ!
 お前は世界を制する能力があるのだッッ!」


キアラは苦悶の表情を浮かべながら目の前の男の顔を見つめる

ハルフォードはコックピットシートから立ち上がるとハッチの外まで身を乗り出してきた


目の前にはキアラが今にもモビルスーツの指に握り潰されようとしている


するとハルフォードは先ほどまでとは異なり小さな声で目の前のキアラに語りかけてきた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ