クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第11章 眠り姫 【過去編】
あたりに鮮血が広がる
白い雪の上にオーウェンの血がぼとぼとと落ちる
喉を切られたオーウェンは絶叫することも出来ずアゴをブルブルと震わせる
口元からは白い唾液混じりの泡が漏れ出てくる
血は止まらない
彼は動くことも出来ず、そのまま立ち尽くしたままだ
動けないものの意識はある
まだ死んでいない
だがもう身体は動かない
痛みは無い
急激なアドレナリンが痛みを感じさせない
目の前の女は彼の前に立ち、返り血を浴びて顔の半分が赤く染まっている
冷たい目つきでオーウェンを見下ろす
彼の眼球がキョロキョロしているので、彼の脳がまだ活動していることがわかる
「……なんだ、簡単に死んでいこうというのか? お前はトラビスやアトキンスをじっくり嬲り尽くしたのだろう? 私にも楽しませてよね?」
キアラはサバイバルナイフを彼の腹に突き刺すとそのまま真下に刃を落としていく
ボトリッ!
ボト、ボトッッ!
彼の内臓が腹から落ちていく
キアラはそのままナイフをさらに下まで落としていく
彼の生殖器まで切り裂いた!
そこでようやくオーウェンの瞳は白眼を向いてしまった
「もう何も見えないでしょう?
何も感じない
でも貴方の内臓が落ちた音は聞こえたハズ
そして聴覚は最後まで残っているでしょう?
はらわたを落としたのはアトキンスをなぶった落とし前
貴方のペニスを切り裂いたのはトラビスをなぶった落とし前
もっと時間をかけて楽しみたかったのに、とても残念だわ」
そこまで話すとキアラは思いっきりオーウェンの身体を蹴りつけて倒してしまった
そしてオーウェンは雪の中で絶命した
キアラはそのまま目の前のモビルスーツを見上げる
その彼女の姿をコックピットの中のハルフォードはわなわなと震えるのだった
「おおっ、この尋常ではない動き、やはりこの娘はキアラだッ! 子供から成長してしまったと語っていたが紛れもなくキアラだッ!
素晴らしいッ!
ようやく、ようやくチャイルドとカタストロフマシーンが私の目の前に現れたのだ!?
この時を何年も待っていたッ!
世界を、地球を、いや宇宙を制する力が今わたしの目の前に…ッッ!!」
ハルフォードは部下の命より、念願の機密を手にした興奮で震えていた!
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