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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第11章 眠り姫  【過去編】


その緊張を解いたのははるか上空から飛んできたモビルスーツだ!


ズズズゥゥゥーーーーーンンンッッ!!!


雪寒地仕様のスノー・ディアスだ

白とグレー、そして所々に薄い緑の迷彩が施された機体、肩には鎌を持った死神のマーク

「死の番人」

ハルフォード大佐の機体であった


するとその背後から続々と後続の支援部隊が雪原の丘陵地帯から駆けつけてきた


追跡部隊が追いついてきたのだ


モビルスーツの外部スピーカーから大佐の声が響いてくる



「でかしたぞ、オーウェン!」


逃げ出した最重要人物を追っ手のオーウェンが確保しようとしているように見えているのだろう


だがオーウェンは褒められたというより、嬲り殺しをするつもりが邪魔が入って来たように思えて歯ぎしりをする


そして


キアラには絶望的な状況となってしまう


これだけの部隊に取り囲まれてしまってはもう逃げ出せないだろう


例え目の前に対峙するオーウェンを倒せたとしてもその後に自分も確保されてしまうことは明らかだ


怒りの吐き出し方を見失ったオーウェンと絶体絶命のキアラ


目の前の巨大な人型兵器はヒュンヒュンと甲高いモーター音を鳴らしながら彼らの近くに立ちはだかっている



ちらりとキアラがモビルスーツを見上げた瞬間


オーウェンは銃を放った!


タンッ!  タンッ!  タンッ!


キアラは咄嗟に身をかがめ、足元の雪を蹴り上げ雪けむりに身を潜めながら細かい足さばきで動く

かがむ、蹴る、潜める、駆け出す


一連の動きがとても速い


オーウェンが次の動きに合わせようと正面を見据えるが頭と手元が同時に反応出来ない


と、思った瞬間!

オーウェンの手元の銃から血しぶきが弾ける


「…ッッ!? 撃たれたッ???」


スローモーションで自分の右手が後ろに吹き飛ばされていく光景を目だけが追う


「やめろッッ!!」


ハルフォードの声があたりに響く


先に銃を放ったオーウェンに向けられたものだったが、今となっては撃ち抜いたキアラに向けられた言葉になってしまった


オーウェンは何とか後ろに倒れないように両足で踏ん張ってみたが、すでにキアラは彼の目の前に現れ躊躇なくナイフで彼の首元を掻き斬ってしまった…!!


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