クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第11章 眠り姫 【過去編】
オーウェンは仲間たちのジープが爆破された事で少しの時間呆気にとられてしまった
まさか、そのような事態になろうとは想像もしていなかったためだ
だがそこから激しい怒りが湧き上がってくる
ちょっと懲らしめてやる程度のつもりで考えていたオーウェンだったが、感情を剥き出しにしてしまい鼓動も早くなる
「お前ッ!俺の部下が追いかけて確認する事まで先読みしてたのかッ!?
アイツらの言ってた通りホンモノの魔女だぜ
軽くお仕置きしてやるつもりだったが、もう許さねえッ! 嬲り殺しでやる!」
オーウェンは銃を片手に持ったまま腰の後ろ側からバチバチと音を鳴らせたスタンガンを向けてきた
バチ…! バチ…!
聞こえてくる音だけでも痛々しい
だがキアラは脅しには屈しなかった
爆破用の無線機をぽろっと落とすと代わりに隠し持っていた小型のピストルを取り出したのだ
これはアーニーが分かれる寸先に手渡してくれたものだ
そしてもう一つ
サバイバルナイフ
キアラは腕を交差させてナイフを構えながらピストルの銃口を目の前の男に向ける
お互いに飛び道具と接近戦に備える
どちらかが、いやどちらとも無傷では終わらないことを物語っていた
じりじり…と適度な距離感を保ちながら睨み合う
オーウェンは目の前に対峙する相手が若い女だからといって遠慮する気はなかった
そもそも事前に聞かされていた最重要人物とされていた“キアラ”は小さな子供ではあるが、通常の人間より素早い反応を見せるバケモノだと報告されていたからだ
凄まじい反応速度は人間離れしており、彼女たちが操るマシーンは彼女にしかコントロール出来ないほどなのだから
“殺しちゃいけねぇのはわかってるが、殺すつもりでかからないとこちらがヤラれちまう”
オーウェンも息を潜め、目の前の女の動きに集中する
“大佐には悪いがこの獲物は無傷では返せそうにないですな、アンタが昔から“キアラ”を追っているのは知っていますが、ここまで来ちまったらもう止まらねぇ”
オーウェンは面倒見てくれたハルフォードに心のなかで詫びを入れるのだった
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