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碧と朝陽

第22章 月野郁人


Switch、俺の中にSubの側面があるって……?
自宅に帰ってからも俺はイマイチ事実を受け入れられずにいた。

しかし夜久先生と簡単なコマンドを交わした後の体調はすこぶる良く、普段できずに溜めてしまう大学の課題にも手をつけることができた。

「はぁ………」

大きなため息をついて、天井を見る。
どんなに俺が認めたくなくても、コマンドが効いてしまった事実や体調の改善がそれを許さない。

どこかで、俺もあんなふうにされたいと思っていたということだろうか。

虐められて泣いていた今までのSubの顔を思い出す。
必死に謝る朝陽の姿も浮かんだ。

俺は、あんなふうにはなりたくない………。
虐げられて喜ぶなんて………。

『でもね、僕は誰かに乱暴をしたり無理矢理言うことを聞かせることで欲求を満たすわけじゃない。いろんな人がいる。』

夜久先生の言葉を思い出す。
Domだからって必ずしも乱暴したりするわけじゃない………。

今までの自分のプレイを思い出して、俺は強く拳を握った。
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