
碧と朝陽
第22章 月野郁人
酷い頭痛だ。
最近はずっと慢性的な頭痛に苦しめられている。
「くそっ………」
高校3年の夏、朝陽がいなくなってからは手当たり次第のSubを相手にして発散した。
そうしていないとおかしくなりそうだったからだ。
しかし最近はどんなにSubを痛めつけても欲求が発散されることはなく、イライラが募るばかりだった。
昨日は、朝陽をたまたま見つけ、少し嬉しかった。
こいつとパートナーになることができれば、体調も落ち着くかもしれないと思った。
しかし、朝陽を押し倒しても、命令を聞かせてもちっとも気持ちよくなくて俺は戸惑った。
俺はどうしちゃったんだ。
Domの抑制剤も最近は効かない。何をしても体調が改善しない。
正直泣き出しそうだった。
「助けてくれっ………」
俺はそう声を絞り出すと布団を頭まで被った。
何故だか涙が止まらない。
何も考えるな、寝てしまえばいい、何も考えるな。
………もうこのまま目が覚めなければいいのに。
