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碧と朝陽

第2章 出会い

「だって朝陽、Subでしょ?」

なんで?
その言葉を聞いた瞬間心臓が跳ね上がった。
なんで?なんでわかったんだ???
ぶわっと変な汗をかく。

「なんで」

「んー……俺Domなのよ」

少し言いにくそうに碧は言う。
いくらDomだからって俺がSubだってわかるわけ……

「朝陽、気づいてないのかもしれないけど、実を言うと朝からずっと気になってたんだ。話を聞いて納得したよ……。殴られて、フェロモンが出てたんだと思う。」

後半はモゴモゴと言いにくそうに目を逸らした。

「な、なるほどな……」

なかなか不便な身体だ。自分の性別に関しては受け入れているつもりだが、こういうことがあるとやっぱり不自由さを感じざるを得ない。
虐げられることに快感を得る……なんて正直情けない。

視線を落とし、膝に乗っている拳をグッと握りしめる。

と、殴られた瞬間を鮮明に思い出した。
頬に響いた重い衝撃。殴られた頬が痛いはずなのにじんわりと熱を持っていく感覚…。
気付かないようにしていた快感が呼び覚まされて……

「朝陽……???」

「ご、ごめ………」

目の前の碧が焦ったような驚いたような顔をしている。
何か言わないと、
だが俺にはそんな余裕がなくなっていた。
身体がぶわっと熱くなっていく。

「朝陽、出よう」

「え、まって、」

グッと碧に引っ張られ、俺たちはカフェを後にした。

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