テキストサイズ

碧と朝陽

第13章 アフターケア

温かい……。
優しく触れてくるのは誰だろう……?

碧だ。

碧が優しく笑いかけてくれてる。
頭を撫でてくれる。

すごい幸せ………。

と、目が覚める。

「ん、?」

夢か?
まだぽやぽやする頭を頑張って持ち上げ、部屋を見渡す。あのホテルだ。
はっきりし始める頭で、先程の行為を思い出し、カーッと身体が熱くなる。

「はっ、恥ずかしすぎるっっっ」

俺は布団に顔を埋めた。

後半は意識が朦朧としていて、よくは覚えてないが、碧に思い切り甘えてしまったような気がする。膝枕までしてもらったような……。

ふと身体を見ると、綺麗にされていて、碧がしてくれたのだと気づく。
優しいな……。

「あ、あれ、そういえば碧は……?」

そばに碧がいないことに不安を覚える。
が、すぐシャワー室からシャワーの音が聞こえることに気づき、安心した。

よかった。近くにいる。

胸を撫で下ろすと、そばにある水を飲もうと身体を起こした。

「てか、俺のパンツどこ……?」

全裸で部屋をうろちょろするのはなんか気が引ける。でも自分の下着がなかなか見つからなくて焦った。

ガチャッ

扉が開く音がして、シャワー終わりの碧と目が合う。

「あれ?朝陽起きたのー??」

「あ、碧……うん……あ、あのさ、俺の」

布団で一応隠して入るが、恥ずかしい。

「ああ〜パンツ?そこじゃない?」

朝陽が指差したところに俺のパンツは転がっていて、速攻でパンツを取りに行く。

「別にそんな隠さなくても〜笑」

へらへらと笑う碧。
でもしっかりと腰にタオルを巻いている。

「あ、碧だって隠してるじゃないか……」

パンツを履いてしまってから、俺はそう呟いた。

「ん?見たいー?」

ニヤニヤとタオルを取ろうとする、碧を見て俺は焦る。

「そ、そういう意味じゃねぇーよ!!!」

「ん、わかったわかった、もう少し寝よう?」

と、急に碧はそばに寄ってきて俺の頬を撫でた。

「ん…」

俺は黙って頷く。

碧にぐわっと抱きかかえられて、ベッドに連れて行かれる。

ポスンッ

優しくベッドに降ろされて、布団をかけられた。

全ての行動が自然で優しくて、恥ずかしいなんて思う間もなかった。

隣に碧が入ってくる。

あったかい。

「朝陽、おやすみ」

優しく囁かれて、俺はまたうとうとし始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ