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恋人は社長令嬢

第1章 素敵な出会いにはご用心

「ああ、じゃあ俺、帰るわ。」

「えっ!」

「お金、ここに置いておくから。さっきフロントで社員証見せたし、たぶんこのくらいで……」


お金なんて、そんなに持ってないはずなのに
※さっき飲み代、奢ってもらったから


社割っていったって、そんなに安くならないのに
※たった一割引きだから


そもそも、お金なんてかからないのに
※オーナーの娘だから


それなのに この人は……



「……帰らないで。」

「えっ?」

梨々香はそっと、瞬の腕にしがみついた。

「もっと赤間さんと……一緒にいたい。」

「梨々香ちゃん?」

そして今度は、潤んだ瞳で瞬を見た。

瞬はゆっくりと、自分の唇を、梨々香の唇に重ねた。


「……梨々香ちゃんって、本当に大学生?」

「う!うん。」

「免許証、見せて。」

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