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恋人は社長令嬢

第1章 素敵な出会いにはご用心

瞬から見ると、それはまるで、自分の部屋にいるような感じ。

「何か飲み物でも、買ってくればよかったな。」

瞬は、テーブルの上にある、ドリンクのリストを見た。

「飲み物なら、冷蔵庫の中にあるよ。」

軽い口調で言う梨々香を、瞬はじっと見る。

「何?」

「……冷蔵庫の中にある物は、高いって知ってる?」

「えっ!!」

飲み物どころか、宿泊代もいつもタダの梨々香。

「いいよ。どうせ社割きくし……」

そうつぶやきながら、瞬は冷蔵庫から、ジュースを取り出した。


「はい、お嬢様。」

「あ、ありがとう…ございます。」

梨々香は缶を開けると、ジュースを片手で飲んだ。

そんな何気ない仕草にも、梨々香には、なぜか品を感じる。

「あの……飲みにくいんですけど……」

「ご、ごめん!!」

梨々香の、あまりの美しい振舞いに、いつの間にか目を奪われていた瞬。

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