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恋人は社長令嬢

第1章 素敵な出会いにはご用心

「ぎゃあああ!!」

梨々香は、飛び上がる程に驚いた。


「はははっ。そりゃあ、びっくりするよな。こんな大きなホテルを、経営している会社の社員だなんて言ったら。」

「そそそそうですね。」


まさか、こんなところで。

うちの会社の社員に会うなんて。


「今まで、泊った事もないような部屋、取ってやろうか。」

「えっ…」

梨々香はドキッとした。


「どこだと思う?」

「……分かんない。」

瞬は、一番上の階を指差した。

「最上階!」


お兄さん。

そこの部屋だったら、

それこそ私が、いつも泊ってる部屋だよ。

梨々香は、心の中で突っ込みを入れる。


意気揚々と、ホテルの中に入っていく瞬。

項垂れながら、それに付いて行く梨々香。


二人は一番上にある、一番高い部屋を取った。

部屋の窓際に立つと、駅前の景色が一望できる。

「ふう……」

梨々香は歩き疲れたのか、ソファにもたれかかるように座った。

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