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もう離れられない~年の離れた弟と~

第1章 弟の気持ち

私は25歳になっても、実家で暮らしていた。

「ただいま。」

「お帰り、姉貴。」

もちろん、新太も同じ家に住んでいる。

高校3年生になった新太は、もう大人だ。

大学受験は、自分が行きたい学部がある場所に行きたいと言っていた。

将来は、自分で会社を作りたいのだとか。

彼の夢は、膨らむ一方だ。


「姉貴、後で部屋に行っていい?」

「いいよ。」

いつもの相談だと思っていた私。

彼が私の部屋を訪れるのは、毎度の事だ。

私は彼に対して、警戒心が薄かったのかもしれない。


夕食を済ませ、シャワーを浴びた私が部屋に戻ると、既に新太がいた。

「早いね。」

「うん、早く姉貴に会いたくて。」

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