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シャイニーストッキング

第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2

 135 豪華な料理

 もうグズグズと考えるのは止めるんだ…

 もう今夜は和哉とヤる、ヤラせるんだ…

 そう決めたんだから…

 わたしは開き直った。

「和哉…」
 そして後ろから抱き締めてきた和哉に振り返り、唇を寄せていく。

「み、みさえさん…」
 わたし達は口吻を交わしていく。

 最後に和哉とヤる、ヤラせる…
 そう決意したのである。

「あっ、そうだ…」
 そしてわたしは唇を離し、明るく話し掛ける。

 そう、あの頃の、あの五年前の開き直り、本気で和哉を愛していた時に還って明るくするんだ…

「7時に夕食を頼んだから、その前に温泉入ってこようよ」
「あ、はい…」
「ほら、今、5時半だから、あと1時間半あるからさ…」

「はい…」
 なんとなく和哉も明るく返事をしてきた。

 多分、彼も、完全に開き直れたのだろう…
 そしてわたし達は温泉大浴場へと向かう。

 温泉なんて久し振りだわ…

 開き直ったんだから、今夜を目一杯楽しむのだ。

 


「じゃあ、カンパーイ」
 わたし達は温泉から戻り、部屋に用意された豪華な夕食を楽しむ。
 そしてビールで乾杯をする。

「ふうぅぅ、美味しいわ」
 温泉上がりのビールは最高であった。

「うわぁ、凄い料理ですねぇ」
 と、和哉が感激の声を上げる。

 新鮮なお刺身の舟盛り、カニ、エビ、旬の天ぷら、地元和牛の陶板焼等々、さすが高級な一人65000円の宿泊料金に相応しい豪華な料理といえた。

「あのぉ…」
 和哉が恐る恐る訊いてくる。

「なぁに…」
「ここってぇ、相当高いんじゃ…」

「うん、高いわよぉ」
 わたしは明るく言う。

「えっ…」
 やっぱり…って顔をしてくる。

「いいのよ、和哉と最後の記念になる夜なんだから…
 いい思い出に残るようにさ…
 和哉はそんなこと気にしなくていいのよ…」
「え、はい、で、でもぉ…」
「もう、じゃあ、そこらのラブホテルの方が良かったの?」
「いや、それは、こっちのがいいです…」
「でしょお、じゃあ、もういいじゃない、今夜を楽しみましょうよぉ」

「うん、はい、わかりました…」
 和哉はそう頷き、ビールをグイっと飲む。

「あ、でも、弱いんだから飲み過ぎないようにね…」

「あ、はい…」

 そうである、二人の夜は…

 最後の夜は、これからなのだから…






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