
シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2
129 空いていた部屋
『申し訳ございません、あいにく満室でございます…』
3軒目の観光ホテルも満室であった。
確かにお盆休みという繁忙期であるから満室なのは仕方がない、そして今日の今日なのだ、逆にいうと部屋が空いている方があり得ないくらいなのである。
やはりダメか…
別にお盆休みとはいえ、海沿いから離れれば少しは空いているホテルもあるはずなのではあるだろうが、海が見えなくてはダメなのである。
朝の、夜明けの、朝日が昇る海が見えなくてはダメなのだ…
海沿いに立地の観光ホテルはこのマップによれば5軒しかない…
わたしはダメ元で4軒目の観光ホテルへ電話をする。
『ああございますよ、ちょうどキャンセルが出ちゃいまして…、ただ…』
「えっ、ただ…何ですか?」
『はい、お部屋はキャンセルで一部屋空いたのですが…』
「はい…」
とりあえず部屋が空いていた。
『ただ、料金が…』
電話の向こう側のホテルのフロントは、少しだけ言いづらそうであったのだ。
『お一人様65000円程のお部屋なんですが…』
「あ、はい、構いません、是非ともお願いします」
料金は、例えいくらであろうとも構わなかったのである。
金額の問題ではないのだ…
空いている事が全てなのである…
高額イコールオーシャンビューである…
『えっ、よ、宜しいんですか?』
「はい、是非ともお願いします…」
わたしは喜んだ、このお盆休みの繁忙期なのである、部屋が空いている事自体が奇跡に近いのだ。
ああ、よかった…
お金なら離婚の時に使い切れない程の金額の、高級車が買える程の金額の、慰謝料を貰っていたのであるから…
多少、高かろうが構わないのだ。
今、大切なことは、オーシャンビューのホテルの部屋が空いているという事実だけなのである…
「今、水族館にいますので、後30分後くらいにはチェックインできます…」
そしてわたしはホテルを予約した。
ああ、よかったわ…
これで、全てが上手くいく…
わたしはそう考えながら、和哉の元へと戻っていく。
「ごめんなさい、お待たせ…」
「あ、はい、大丈夫です」
「じゃあ、行こうか…」
「は、はい…」
わたしがそう言うと、和哉の返事が少しだけ暗いトーンになったように聞こえてきた…
『申し訳ございません、あいにく満室でございます…』
3軒目の観光ホテルも満室であった。
確かにお盆休みという繁忙期であるから満室なのは仕方がない、そして今日の今日なのだ、逆にいうと部屋が空いている方があり得ないくらいなのである。
やはりダメか…
別にお盆休みとはいえ、海沿いから離れれば少しは空いているホテルもあるはずなのではあるだろうが、海が見えなくてはダメなのである。
朝の、夜明けの、朝日が昇る海が見えなくてはダメなのだ…
海沿いに立地の観光ホテルはこのマップによれば5軒しかない…
わたしはダメ元で4軒目の観光ホテルへ電話をする。
『ああございますよ、ちょうどキャンセルが出ちゃいまして…、ただ…』
「えっ、ただ…何ですか?」
『はい、お部屋はキャンセルで一部屋空いたのですが…』
「はい…」
とりあえず部屋が空いていた。
『ただ、料金が…』
電話の向こう側のホテルのフロントは、少しだけ言いづらそうであったのだ。
『お一人様65000円程のお部屋なんですが…』
「あ、はい、構いません、是非ともお願いします」
料金は、例えいくらであろうとも構わなかったのである。
金額の問題ではないのだ…
空いている事が全てなのである…
高額イコールオーシャンビューである…
『えっ、よ、宜しいんですか?』
「はい、是非ともお願いします…」
わたしは喜んだ、このお盆休みの繁忙期なのである、部屋が空いている事自体が奇跡に近いのだ。
ああ、よかった…
お金なら離婚の時に使い切れない程の金額の、高級車が買える程の金額の、慰謝料を貰っていたのであるから…
多少、高かろうが構わないのだ。
今、大切なことは、オーシャンビューのホテルの部屋が空いているという事実だけなのである…
「今、水族館にいますので、後30分後くらいにはチェックインできます…」
そしてわたしはホテルを予約した。
ああ、よかったわ…
これで、全てが上手くいく…
わたしはそう考えながら、和哉の元へと戻っていく。
「ごめんなさい、お待たせ…」
「あ、はい、大丈夫です」
「じゃあ、行こうか…」
「は、はい…」
わたしがそう言うと、和哉の返事が少しだけ暗いトーンになったように聞こえてきた…
