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シャイニーストッキング

第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2

 128 夜明けの朝日

「…って事は夜明け、朝日が昇るのは見れる訳よねぇ…」
 再び和哉を見つめながら、そう呟いた。

「まあ、東向きですからね」

「そうかぁ…」
 そう呟きながら西日がやや傾いてきている空を見上げる。
 
 ああ、夜明けの朝日か…

 燃えながら昇っていく旭日、朝日、太陽が見たい、和哉と二人で…
 急に、そう思ってきていた。

 ドキドキドキドキ…

 ズキズキズキズキ…

 自分自身の本当の本音を完全に理解し、意識が覚醒した途端に、心の昂ぶりの騒めきが増し、そして子宮の疼きが始まってきたのだ。

 
 ああ、和哉と二人で朝日が見たいなぁ…
 わたしはそう考えながら再び海を見つめていく。

 夜明けの空に白々と昇っていく朝日が見たい…

 その朝日が、リセットし、リスタートするわたしを今後とも、いや、これから先も後押ししてくれる力の源となってくれる…

 そして五年前の和哉との想いをリセットし、また和哉自身のわたしへの想いにもケジメを付けさせる意味でも…

 これからのわたしと和哉の新しい関係の為にも…

 悔いのない様に、

 最後にヤって…

 ヤラせて…

 愛して…

 愛されて…

 和哉の想いを終わらせて…

 わたしの想いを終わらせて…

 リセットし、新たに、リスタートをするのだ…

 その為にも愛し合った後に新しい関係を誓う為にも、どうしても、新たに昇る夜明けの朝日、旭日を二人で見たい…のだ。

 そして、わたしはそんな想いを逡巡し、決心する…


 よしっ…


「うん、決めた」
 と、わたしは想いが固まり、そう呟いた。

 自分自身に正直になろう…

 素直な気持ちでこの和哉を見れば、自ずと…

 自ずと、答えは明らかに…

 明らかに一つしかない…

 わたしは決めたのだ。


「ごめん、ちょっとトイレね…」
 そして、わたしはそう言って立ち上がり、トイレ方向に歩いて行く。

 確か、さっきトイレに行った時に、入り口辺りの壁にアレが貼ってあったはずだわ…
 わたしはそう想いながらその壁を見た。

 あっ、あった…

 そう、その壁に、水族館を中心に描かれている観光イラストマップが、貼ってあったのだ。
 そしてわたしはその観光イラストマップを見つめる。

 そう、今夜二人で泊まるホテルを探し始めていくのである…




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