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シャイニーストッキング

第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2

 118 コンビニ…

「あっ、あそこのコンビニに寄って…」
 水族館まであと5分という所で美冴さんはそう言ってきた。

「あ、はい…」
 僕はそのまま、コンビニの駐車場にクルマを停車する。

「ちょっと待っててね…」
 美冴さんはそう言って、今朝持って来ていた少しだけ大き目のバッグを手に、コンビニへと入っていった。

 そういえば、あのバッグはなんなんだろうか…
 今朝、見かけた時に手持ちのバッグと、そのやや大きめのバッグを見て何気なくそう思ったのではあるが、女性の荷物が多めなのは常である、僕はすぐに忘れてしまっていた。

 そしてコンビニに入っていく美冴さんを目で追っていくと、トイレに入って行く。

 トイレか…

 僕は別に何も考えなく、すっかり晴れ渡った青空を見上げる。

 朝は薄曇りだったが、すっかり晴れて、暑いなぁ…

 東の海側の方向には真夏特有の大きな入道雲がモクモクと湧き上がっていた。

 確か、水族館は海沿いにあったっけ…

 僕は、そう、小学生の頃に行った記憶を想い返していた。

 それにしても、お墓参り終わってから水族館に行きたいなんて、予想もしていなかった…

 本当にこれじゃあ、ドライブ、いや、まるでデートみたいだ…

 そう想いながらあの五年前をふと想い返す。

 あの頃は、ただ、バイト終わりに待ち合わせてラブホテルに行ってセックスばっかりしていたからなぁ…

 唯一出掛けたといえるのは、花火大会を観る為に、地元の○○山という頂上付近にある展望台駐車場に登ったくらいであったけれども、周りのカップル達に刺激されてしまい、すぐにラブホテルに行ってしまったっけ…

 あとは最後のあの日に映画を観た位だ…

 本当にあの五年前の二週間という時間は、セックス三昧の日々といえるのである。

 だから、これが、今日が、本当にデートって感じがする…
 僕はそんな事を考えながら、コンビニに入った美冴さんをボーッと待っていた。

 すると美冴さんがコンビニから出てきたのである。

「あっ…」

 僕は最初、コンビニから出てきた女性が美冴さんだって事にすぐには気付かなかった…







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