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シャイニーストッキング

第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2

 109 健太…

 ゆかりさんとの電話を切った途端になんか…
『今更……』
 云々なんて格好付けて、へりくだっている自分が嫌になってきていた。

 ま、とにかく明日の流れ次第であるが…

 なるようになれ…だ。

 そして携帯電話のディスプレイの画面を見ると、メール着信のマークが点灯している。

 あっ、健太からだ…

 健太からは電話の着信があるとは思っていたのだが、メール着信であった。

『明日から親戚廻りしてきます、予定では13日の夜に帰宅します。
 美冴さんに会いたいです♡』
 なんとなくだが、言い訳メールの様に感じてしまう。

 わたし的には、今までの健太の女関係の清算をしてくるのではないのか…
 と、昨日から感じてはいたのであるが、やはりそうだ…と、このメールを読んで確信した。

 でも、わたしだって和哉との件があるのだ…
 健太の事は責める事はできないし、わたし自身が彼に、
『付き合うならばちゃんと清算して…』
 と、云ったのだから仕方がない。

 そうなんだ、わたしも自身だって明日、和哉とちゃんと清算し、彼の心の迷走に終止符を打ってあげて、新しい一歩を踏み出させてあげなくてはいけないのだ…


『ヤラせてあげちゃえばいいのよ…』

 そして、そんなゆかりさんの言葉が再び脳裏に浮かんできていた。

 あの8年越しにゆかりさんを追ってきていたという男は、やっぱり健太の事なんじゃないのかな…

 それに、わたしにはそんな疑問がさっき浮かんできていたから、電話で声を聞きながら会話をして、確かめてみたい気持ちがあったのだ。

 だが…
 
 万が一健太の事であったならば、知らない方がいいのかな…

 とにかく今の健太がわたしの事を凄く愛してくれている、という事だけは本当に良く伝わってきているのである。

 それで十分なんじゃないのか…

 それに、それこそ『今更な…』健太の過去の事なんだから…

 さっき、ゆかりさんはもうその相手は落ち着いている、と、云っていた。

『ヤラせたら落ち着いたの…』
 と、云っていたのである。

 ヤラせるか…

 やはり…

 所詮、男と女の間には、セックスは避けられないのか…




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