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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 83 綺麗なお姉さん

「それに綺麗なんて…
 それは佐々木ゆかり部長のことでしょう、彼女の方が正にその通りで…」
 と、突然に美冴さんの口からゆかり姫の名前が出てきて、更にドキッとしてしまう。

 いや俺には、美冴さんもゆかり姫も双璧の様に美しく、綺麗だと思ってますが…

「もお、そんなバカな事言ってないでお店に入りましょうよぉ」
 と、美冴さんは俺の手を引き中華料理店に入っていく。

 ゆかり姫か…

 そういうば俺はこの双璧のダブル美人を抱いた事になるんだ…
  そんな事を想い浮かべ、急にドキドキと高鳴ってきてしまっていたのだ。

 うーん、俺ってなかなかやるじゃん…


「チャーハンとギョウザにしよう」
 そんな俺の邪な想いを余所に、美冴さんはそうテンション高めに話してくる。
 
 ああ、堪らないや…

 こんな美冴さんも、堪らない…

 いや、この明るさが本当の美冴さんの姿なのかもしれないなぁ…

 俺は目の前の初めて見る、こんな明るい美冴さんの顔を眺めながら、そう思っていたのである。

「さぁ、健太さんは何にするの」
 明るくて、いつもとはまるで別人のような美冴さんがそう訊いてきた。

「えっ、どうしようかなぁ…」
 もう胸が一杯で、空腹感なんてどこかに吹き飛んでしまっていたのだ。

「うーん、じゃあ、中華丼にしようか…」
「うん、あ、ギョウザは…」
「えっ、どうしようかなぁ」
 本当に空腹感が消えていたのである。

「ええ、ギョウザ食べてくれないとなぁ…」
 そう美冴さんは呟いてきたのだ。

「えっ、なんで…」

「だってぇ、わたし食べるからぁ、わたしだけニンニク臭くなっちゃうしぃ…」
 と、急にモジモジと可愛くなったのだ。

「わたしだけだとぉ、もお、この後、今日は…
 キスできなくなっちゃうから…」

 うわっ…

 そんな美冴さんの言葉に俺は急激にドキドキと高ぶりと、ときめきを感じてしまったのである。

「あっ、食べます、もちろん食べますからっ」
 と、俺は思わず叫んでしまったのだ。

 ヤバい…

 可愛い…

 綺麗と、可愛いだ…

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 激しく胸が騒めき、再び空腹感など吹き飛んでしまったのである。

 ヤバい、俺は、幸せだ…

『綺麗で、可愛いお姉さんは好きですか…』

 はいっ、大好きです…






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