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シャイニーストッキング

第16章 もつれるストッキング5  美冴

 92 濡れた目

「……………」

 だが突然、
 美冴がスッと、私の左肩に寄り掛かってきて、顔を上げ、涙で濡れた目を向けてきたのである。

 そしてその目には、さっきまでの怒りの色はなく…
 いや、涙のせいではなく、そう、その目からは…
 昂ぶりに濡れた色が感じられた。

 え、なんだ?…
 さっきまで怒っていたはずなのに…

 すると、更に私に寄り掛かり…
 ゆっくりと、ボロボロのストッキングを纏った左脚を伸ばしてきて…
「こんなに……して…さ……」
 と、囁きながら…
 顔を持ち上げ、唇を寄せてきたのである。

「え……あ…み、みさえ………」
 この突然の豹変といえる美冴の変化に、戸惑ってしまう。

 え、な、なんなんだ…

 だが、美冴の魅惑の濡れた、艶ゆかな唇がゆっくりと迫り…
 心が昂ぶり…
 目がはなせない。

 そしてまるで吸い寄せられるかのように…
 無意識に、美冴を抱き寄せ、自らも唇を寄せてしまう。

『こんなに……して…さ……』
 それは、美冴の象徴といえるストッキングを破り、引き裂き、心までもを壊された…
 そんな慟哭。
 
 美冴はそんなボロボロのストッキング脚を、唇を寄せてきながらも、私の腰にゆっくりと、妖しく絡めてくる。

 それはあたかも私のカラダに絡み、心を蝕む翳のようにも感じられる…

 そして、ゆっくりと近づくその艶やかな唇が触れる寸前…

「壊してあげる……」
 美冴は、濡れて昂ぶった目で見つめながら、甘い声音で囁いてきた。

『壊してあげる…』
 そう囁き、その妖しい目を見た瞬間、私はゾクリと背筋に悪寒が走り…

「…………」
 その唇に触れる寸前…
 思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう。
 
 この美冴の囁き、そして魅惑の唇が怖く感じられ、だが、心はこの艶やかな唇に魅入ってしまい逃げられない…

「ぐちゃぐちゃにしてあげるわ……」

 疼き、震えてしまう…



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