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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 155 心から震える昂ぶり(4)

 私は股間から舌先を離し、スカートの中から顔を出してベッドの上で仰向けで絶頂感の喘ぎを漏らしながらぐったりとしている彼女を見る…

「はぁ、はぁ、ははぁぁ…」
 すると律子は快感に濡れた目で私を見つめてきた…

「………」

 そしてその目を見た瞬間、私はある想いに気付き、それが脳裏に浮かんできたのだ…

 それは…

 あの元『黒い女』と云われていた彼女の事を…
 つまり『蒼井美冴』という存在の事を、いや、紆余曲折があったのだが、偶然の流れにより彼女を抱いた後に私に見せてきたあの快感に濡れた目を…
 私の脳裏にこの律子の目を見た瞬間に、パァッと想い浮かんできたのである。

 え、あ、な、なんで?…
 なんで彼女の顔が、いや、あの時の美冴の目が浮かんでくるんだ?…
 と、私は自分のその脳裏に浮かんだそんな彼女『蒼井美冴』という存在感に疑問を、いや、不思議に想っていた。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁぁ…」
 そして律子は絶頂感の余韻に酔い痴れている様な喘ぎを漏らしながら、スッと私に手を、指先を延ばし…
 そんな不思議な想いに戸惑っている私の指先に絡めてくる。

 あっ…
 そんな律子の仕草に私はハッとした。

 そうか、そうだ…
 この律子は、いや、この律子の仕草やこの快感の余韻に濡れた目が…
 あの時の蒼井美冴の目と同じ目だからだ。

 この律子の絶頂感の快感に酔い痴れ、余韻に浸り、淫靡に、淫らに昂ぶった濡れたこの目が…
 正にあの時の蒼井美冴と同じ類の目なのである。

 いや、でも、なぜ?…

 律子と蒼井美冴は確かに見た目はかなりの美人、美女とはいえるのだが、年齢は確か美冴が37歳、律子は28歳と9歳も離れ、美人度のタイプも違う…

 なぜだ?…

「はぁ、はぁ、ふぅぅ…」
 ようやく喘ぎが収まりつつある律子を見つめながら、そう逡巡していくと…

「あっ…」

 あっ、そうか、そうだ…
 私はハッと閃き、律子と蒼井美冴との唯一の共通点に気付いたのである。

 それは…

 ストッキングに対する想い、思い、いや、思い入れ。

 確かあの時蒼井美冴は私に云った…

『昔、心底愛した亡くなった男にこのストッキング愛を、ストッキングラブを心に刷り込まれてしまったの……』と。

 そう…

 それはストッキングラブ…



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