
シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
126 青山の素早い機転
「あ、青山くんか?」
「え、あ、か、一也さん?」
なんと…
フロント前で私を待ち受けて凛とした姿で立っている律子の隣には、青山一也が立っていたのだ。
そして私が彼の姿を認めたタイミングとほぼ同時に、竹下くんが…
『え、あ、か、一也さん?』
と、呟いた。
しかも下の名前で…
「大原常務、お疲れさまです」
「あ、うん、松下くん、こんな時間まで済まないな」
そして私は、いや、私と律子の二人は…
私は律子の隣に立っている青山くんを…
そして律子は、見送りと称してホテルロビーまで付いてきた支社長専属秘書の竹下くんという存在を…
お互いに無視したかの様にそんな会話を交わしたのだ。
だが、私の内心は…
なぜ彼、青山くんがこのホテルに、それもこうして律子と一緒に連れたって立っているのか?
そしてもうひとつ…
なぜに竹下くんが彼を名前で呟いたのか?
と、いう疑問がすかさずに湧き起こってきていた。
だが…
「あ、大原常務、お疲れさまです」
と、律子の隣に立つ青山くんはそう私に言い…
そして…
「あぁ、松下さん、お疲れさまです」
と、私の隣にいる竹下くんが律子にそう声を掛け…
「え、と、竹下さんでしたね、遅くまでご苦労さまでしたね」
すると、そう律子が彼女に応え…
そしてその言葉に、一瞬、この私を含めた四人のいるこの空間の空気を張り詰めさせたのだ。
「あ、いや、大原常務、きっとこの竹下が見送りついでにここまで付いて来ると思っていたので彼女を迎えついでに…
だから自分が無理矢理に松下さんをお誘いしてしまってぇ…」
と、すかさずそう言ってきたのである。
「えっ?」
すると、私の傍らに呆然と立っている竹下くんはその彼の言葉にそんな疑問の声音を漏らしたのだが…
「さぁ雪恵、仕事は終わりだろう?
帰ろうかぁ…」
そう言いながらサッと歩み寄り、そして彼女の腕を掴み…
「では大原常務と松下さん、失礼しますね…
また、明日です」
そして青山くんは彼女を連れてホテルの玄関を出て行ったのだ。
それは、浮かんだ疑問に有無を言わさぬ素早さ、いや、おそらくはとっさの彼の機転だとも思わせたのだが…
あまりにも素早く、そしてあっという間の流れともいえる見事な去り方といえたのである。
「あ、青山くんか?」
「え、あ、か、一也さん?」
なんと…
フロント前で私を待ち受けて凛とした姿で立っている律子の隣には、青山一也が立っていたのだ。
そして私が彼の姿を認めたタイミングとほぼ同時に、竹下くんが…
『え、あ、か、一也さん?』
と、呟いた。
しかも下の名前で…
「大原常務、お疲れさまです」
「あ、うん、松下くん、こんな時間まで済まないな」
そして私は、いや、私と律子の二人は…
私は律子の隣に立っている青山くんを…
そして律子は、見送りと称してホテルロビーまで付いてきた支社長専属秘書の竹下くんという存在を…
お互いに無視したかの様にそんな会話を交わしたのだ。
だが、私の内心は…
なぜ彼、青山くんがこのホテルに、それもこうして律子と一緒に連れたって立っているのか?
そしてもうひとつ…
なぜに竹下くんが彼を名前で呟いたのか?
と、いう疑問がすかさずに湧き起こってきていた。
だが…
「あ、大原常務、お疲れさまです」
と、律子の隣に立つ青山くんはそう私に言い…
そして…
「あぁ、松下さん、お疲れさまです」
と、私の隣にいる竹下くんが律子にそう声を掛け…
「え、と、竹下さんでしたね、遅くまでご苦労さまでしたね」
すると、そう律子が彼女に応え…
そしてその言葉に、一瞬、この私を含めた四人のいるこの空間の空気を張り詰めさせたのだ。
「あ、いや、大原常務、きっとこの竹下が見送りついでにここまで付いて来ると思っていたので彼女を迎えついでに…
だから自分が無理矢理に松下さんをお誘いしてしまってぇ…」
と、すかさずそう言ってきたのである。
「えっ?」
すると、私の傍らに呆然と立っている竹下くんはその彼の言葉にそんな疑問の声音を漏らしたのだが…
「さぁ雪恵、仕事は終わりだろう?
帰ろうかぁ…」
そう言いながらサッと歩み寄り、そして彼女の腕を掴み…
「では大原常務と松下さん、失礼しますね…
また、明日です」
そして青山くんは彼女を連れてホテルの玄関を出て行ったのだ。
それは、浮かんだ疑問に有無を言わさぬ素早さ、いや、おそらくはとっさの彼の機転だとも思わせたのだが…
あまりにも素早く、そしてあっという間の流れともいえる見事な去り方といえたのである。
