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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 101 油断…

 だってこれが今までの、そして独裁的にこの保険会社を牛耳り君臨していた真中前常務による悪影響といえるから…
 
 だから、だからこそ今度は私が…

 いや、律子と共に、いいや、佐々木ゆかりを始め、越前屋達のウーマンパワーにより…
 この生命保険会社を新しく生き返らせる、ううん違う…
 なんとかして生まれ変わらせるのだ。

 そしてその為の今回の新潟出張であり、青山一也という資産運用のスペシャリストのヘッドハンティングなのである。

「あ、そんな…華があるなんて…」

 さすがの秘書の竹下くんも私と永岡支社長とのそんな会話のやり取りを聞いて理解したのであろう…
 急にトーンを下げてしまった。

 だが、これは、今までの新潟支社では慣例の当たり前の流れであったのだろう…
 だからきっと彼女は彼女なりに、必死に、この支社長専属秘書という地位を得る為の努力はしたに違いないのである。

 私から見たら根本的に間違っているのであるのだが、この新潟支社では慣例であり、通常であり、当たり前なのであろう…
 だからこそ、この私がそれらの根源を根本的に直して、治していくしかないのだと思う。

「うん、竹下くんは本当に明るくて華があるよ…
 それに魅力的だしね」
 
 そもそもが、上が、トップが、前真中常務が全て悪いのだ…
 だから彼女には罪は無い。

 私はそう思い直し、そんな甘い言葉を彼女に投げ掛ける。

 そしてつい…
 そう、ついなのである…
 ふと、心が油断したのだ。

 いや、油断したに違いない…

「それに魅力的だしね…」
 と、私はそう言いながら…
 ふと、肉惑的といえる彼女の艶気溢れる魅惑的なストッキング脚に目を運んでしまったのである。

 そう、それはお座敷であるが故に…
 私に対して無造作的にストッキング脚が露わとなり…
 どうしても、いや、どうしたって、ストッキングフェチの私の目が…
 視線が…
 彼女の光沢溢れる艶やかなストッキング脚の動き、動作に対して…
 無意識に視線が追ってしまう、いや、しまっていたのだった。

 そして、この艶やかな光沢のストッキングを敢えて選んで穿いているであろう彼女自身も…
 自分のこの脚の、いや、ストッキング脚の魅力を自覚しているに違いない筈であるから、そんな私の視線を敏感に察知しているみたいなのだ。




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