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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 96 秘書同席の意味

 そしてなぜか秘書も同席していたのだ…
 だが、その秘書同席の意味は直ぐに分かった。

「さぁ、大原常務様どうぞ…」
 秘書は瓶ビールを手に、私に注いでくる。

「あ、はい、ありがとう…」

「さぁ、支社長も…」
 そして永岡支社長にも注いでいく。

「では大原常務、お疲れさまです」
 そう永岡支社長は言いながら私にグラスを合わせてきた。

「あ、はい」
 とりあえず私はその彼のグラスに合わせる。

「ふぅ…」
 喉が渇いてはいたからビールは美味しいのだが…

「大原常務、本当にこれからよろしくお願いします」 
 約ひと回りくらい年上であろうこの永岡支社長の、いくら私が新常務であり、社内序列が上とはいえ…
 この彼の卑屈的な、そしてへりくだった態度に内心違和感、いや、不快感を感じてしまっていた。

 そしてまた…
「さぁどうぞ…」
 と、続けてビールを注いでくるこの秘書の、この宴席に同席している意味も分かって、その不快感が徐々に嫌悪感を感じつつもあった。

 おそらくは、この秘書の彼女の同席の意味は…
 ホステス代わりの存在の意味には違いなく、いや、その為の同席であるのだ。

 そしてこの秘書の彼女は、さっきの私の出迎えから、永岡支社長との面談の席にも同席して居たから、支社長専属秘書には違いないのだが…
 一見、20代後半であろう、長い髪のやや派手目な化粧をした美人の類の女性である。

 かく言う私も、松下律子という際立った美人秘書を従えてはいるからこそに、その永岡支社長専属であろう秘書の彼女の事をとやかくは言えないのであろうが…

 それに律子の秘書の就任の流れの曰くはまた別部類の話しとなる訳であるから、それについてはさておき…

 だがどうにも…
 この目の前に居るこの永岡支社長専属秘書の存在と同席の意義は違う意味に、そして、いやらしい思いを浮かべてしまうのだ。

 いや、この秘書の感じが…

 また律子とは違う意味での美人さ、いいや、この肉惑的という類のオーラを醸し出している彼女の雰囲気が…

 そしてそんな彼女のタイトな短目なスーツのスカートから伸びるそのストッキング脚の魅惑さに…
 
 ストッキングフェチである私が否が応にでも、目が注視してしまうせいもあり…

 余計にいやらしさを感じてしまうのである。

 

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