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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

211 ビアンな夜(113)

 わたしは落ちてしまったゆかりをベッドに寝かせたまま、シャワーを浴びる。

 わたしも初めての夜はそうだったから、しばらくは目覚めないだろう…

 シャワーを浴びながら、初めてゆうじに『ストッキングラブ』の衝撃の快感と絶頂感を与えられた夜を思い出し、そう想っていた。

 そして…
 完全に『ストッキングラブ』をゆかりの心に植え付けた、充足感と満足感を感じてもいたのである。

 やっぱりゆかりさんはこっち側…

 わたしと同類の女だったし、女になったわ…

 これで本当の友達になれた…

 そう…
 わたしは内心、この『ストッキングラブ』という性癖、嗜好に対して弱冠のコンプレックスを感じていたのだ。
 
 なんとなく…
 男の『ストッキングラブ』
 『ストッキングフェチ』は分かるし、理解できるのだが、女が…
 というのは聞いた事が無かったし、無い。

 だから、自分のこの想い、嗜好、性癖、昂ぶり等は変態的なのではないか…
 秘かにそう思っていたのである。

 だからこそ余計に、ゆかりの感性、隠されているモノを感じ、察した時に、何がなんでも完全にこっち側に引き入れたいと考えていたのだ。

 そして、それは…
 わたし自身がゆかりに対しての隠し事をしない、いや、無くすという事にも繋がり、更なる友情を深められるのにも通じていくのだと、確信していたからである。

 これで、完全な友達、友情を築けたはず…

 過去を、学生時代からを振り返ってみても、本当に心の内をこうまで晒せられる友達の存在は無かった…
 だから、本当に嬉しくて堪らない。

 ただ…

 ただ、ひとつだけ…

 それは、彼、大原浩一本部長との成り行き上のやむを得えなかった過去とはいえ、ゆかりに対しての裏切りの関係であった…

 どうしてもそれが、それだけが…
 心のシコリとなっていた。

 だが、これだけは絶対に云えないし、話せない…
 墓場まで持っていくしかないのだ。

 例え、どんな理由があろうとも、これだけは秘密にしなくてはならない…




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