テキストサイズ

シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 200 ビアンな夜(102)

「それはさぁ…」
「……」
 本当に不思議そうな顔をしているのだが…

 目は…
 目だけは妖しく、妖艶な光りを放ってきていた…

「ゆかりがさぁ…
 ううん、ゆかり自身がさぁ…」

「……」
「ゆかり自身の脚の美しさを…
 ストッキングを穿いた自分の脚の魅力をさぁ、分かっているからよねぇ…」
「え…魅力…って…」

「今までさぁ…」
 そして自身の『ストッキングラブ論』を語り掛けていく…

「自分の脚の美しさ、それにストッキングを穿いて更に美しく魅惑が上がるのを分かっているわよねぇ…
 そして自分のストッキング脚を男達が、いや、ゆかりに関わっている殆どの男達の視線が集まっているのを分かってもいるわよねぇ…
 それも皆がいやらしい視線で…」

「……」
 話し込んでいるわたしの目をじっと見つめ、頷く。

「でしょう、そしてぇ男達が脚を、ストッキング脚を見つめてきている意味も分かっているわよねぇ…」

「……」
 やはり、自分の脚の魅力を分かっている…

「見られて快感よねぇ?…」

「……」
 今度は目で頷く。

「さっきわたしに対して爪先を差し出してきたのはさぁ…」
「……」
「昔かなぁ?…
 昔、よく男達に対してそうやってきたからなんじゃないのかなぁ?…」

「……」
 目が泳ぐ、そして心なしか潤んできたように見える。

「だけと、ストッキング脚だけででしょう?
 素脚ではしないでしょう?」

「……」
 今度は頷いた。
 
「それは自分のストッキング脚の魅力を分かっているからよねぇ…
 昔の男達の皆が、皆の視線がそうさせたのよねえ…
 そして、さっきそれを思い出した…」

「う、うん…」
 今度は言葉で返事する。

 ゆかりの心の揺らぎが、面白い様に伝わってくる…

「それが…
 その衝動が…
 そしてその魅力の自覚こそが…
『ストッキングラブ』なのよ…」

「え…」
「なぜ、いつもストッキングを穿くの?…」
「え…、そ、それは…」
「仕事だから仕方なく?…
 それにさっき云ってきたみたいな、あのベタつく密着感がイヤだから?…」

「……」
 目で頷く。

「それに、それだけじゃ、無いでしょう…」

 目が泳いだ…

 そして、それは…

 わたしの言葉が当てはまり、心の揺らぎを隠せない現れともいえる…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ