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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 199 ビアンな夜(101)

「そして…
 あの第二の肌となり得る特有の密着感…
 そして艶やかな光沢と艶…」

「え…」

 なんとなく…
 わかったような、わからないような微妙な表情である。

 さっきのゆかりの絶頂感は、ストッキングのナイロン繊維特有のザラザラ感とからによるものだとは理解できるであろうが…
『ストッキング特有の密着感』や
『艶やかな光沢と艶…』
 と、いう、わたしの言葉にはもちろん理解し難いとは想われた。

 そして、やはり、疑問の表情を浮かべてくるのだ…
 それを見て、更にザワザワが高ぶってくる。

 だけど…
 ゆかりには理解できるはず…

 そう確信していた。

 間違いなくわたし達は同類なんだ…


「ゆかりはさぁ…
 さっきさぁ、突然、スイッチが入ったみたいになってさぁ…
 立ち上がり、そして、わたしの口元にストッキングの爪先を押し付けてさぁ…
 舐めろってぇ…」

 さっき、突然、まるで女王様然とした雰囲気、いや、オーラを溢れさえ、わたしの口元にストッキングの爪先を差し出してきた…

 そして、もし、わたしがその爪先を拒否したとしても、無理矢理に口元に押し付けてきたのではないか…
 そんな勢いがあったのだ。

「なんで?…」
 わたしには、その理由は分かってはいるのだが、敢えて、そう、問う。


「え…」

 しかしゆかりは考え込む感じになる。
 だが、正に、その考え込むという事が、彼女の無意識の衝動によるモノの行為であるという証拠ともいえる…

 つまり、それは…

 その衝動こそが…


「それはさぁ…」
 わたしは出来るだけ言葉を選んで話していく…
 
「…………」

 ゆかりは、本当に不思議そうな顔をしているのだが…

 目は…

 目だけは、妖しく、妖艶な光りを放ってきていた…

 それは…

 その光りは…

 深層の奥深くのメスの本能だけは分かっているという…

 証しの光りといえる…






 

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