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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 74 ビアンな夜(15)

 ドキドキドキドキドキドキ…
 心が激しく昂ぶってくる。
 
 ズキズキズキズキズキズキ…
 子宮が激しい疼きを強めてくる。

 だが、その昂ぶりと疼きは、ついこの前までわたしを苦しめ、戸惑わせ、不惑な想いに陥れてきていたあの、不安定な自律神経の揺らぎの類では違っていた…

 メスの…

 いや、メス同士、女同士、同性同士の、高まる想いによる純粋な昂ぶりの期待の揺らぎといえるのだ…


「ああ…」
 ゆかりさんはキスをしながらわたしの目を見つめてくる。

 そしてわたしも目を逸らさずに見つめ返していく…
 と、その彼女の目の色が、徐々にあの『憧憬』の色に変わってくるのを感じてきた。

 憧憬…
 それは過去の後輩である
『貴恵こときーちゃん』と、そしてあの禁断の関係の『和哉』の目を、存在を想い返してくる。

 きーちゃんと和哉はわたしに憧れ、あの禁断の関係を結んだのだ…

 そしてあの頃はいつも、その『憧憬の目』をわたしに対して向けてきていた…

 今、ゆかりさんがわたしに対して向けてきている目が正に…
 その『憧憬の目』なのである。

 ドキドキドキドキドキドキ…
 想いがあの二人と関係をしていた頃に還っていき、心が高鳴ってくる。

 ズキズキズキズキズキズキ…
 そしてあの禁断の快感を想い返し、激しく疼きが昂ぶってきた。

 約三カ月前…

 思い返せば、この『憧憬の目』をゆかりさんから感じ始まってから…

 今夜の…
 
 この禁断の昂ぶりの逢瀬は決まっていたのかもしれない…

 あの時から…

『鉄の女』であった佐々木ゆかりは…

 もう既に…

 わたしに墜ちていたのだと思う。

 そしてわたし自身もこの佐々木ゆかりという聡明で理知的で、かつ、時折弱さの垣間見える女性的な美しい彼女の魅力に魅了されていたのだと思うのだ…



 あの時からこうなる事を…

 ゆかりさんを愛し、愛される事を…

 切望していたのである…

 わたしは、このゆかりさんの瞳を見て、改めて確信した。

 そして…

 それは…

 まるで異性に対して抱く、恋慕の想い一と同じ様な感情なのだと理解した…





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