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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 63 ビアンな夜(4)

 あぁぁ…

 心が震え、蕩けてくる…

 高校時代の貴恵以来の女性の唇は…

 絡んでくるゆかりさんの舌は、やはり柔らかい、いや、唇自体が柔らかい…

 心が震えるほど柔らかい…

 そして流れ込んで来る美冴さんの唾液が甘いのだ…


 男とのキスとは…

 昨夜の和哉とのキスとは…

 ゆうじとのキスとは…

 健太とのキスとは…

 そして…

 大原本部長とのキスとは…

 唇の感触が絶対的に違うのである。 

 いや…

 そしてこの抱かれているゆかりさんのカラダの感触が細くて、柔らかくて、華奢で、繊細で、根本的に男とは違うのである。

 あぁぁ…

 わたしはこのキスの快感で…

 キスだけで…

 子宮が泣き叫び出してしまう…

 ピチャ、ピチャ、ピチャ…

 わたしはゆかりさんに抱かれ、唇と舌を貪られ、密着しているゆかりさんのカラダから熱く、激しく高鳴っている鼓動が伝わり…

 そして感じてくる、肌同士による微妙な湿り気が…

 ドキドキドキドキドキドキ…

 ズキズキズキズキズキズキ…

 と、心を震わせ、蕩かせてくるのだ。


「は……ふぅ……ぅ…」

 夢中になって貪られている舌先が、快感に痺れ、蕩けそうになり、思わず息を吸うのも忘れてしまい、息苦しくなってしまう…

 ピチャ、ピチャ、ピチャ…

 あぁぁ…

 ゆかりさんの甘く、熱い想いが流れ、入り込んでくる…

 わたしは…

 ついに…

 ついに…

 ゆかりさんに抱かれるのだ…

 いや、抱くのだ…

 愛され…

 愛するのだ…

 
 想い返せばゆかりさんの目を意識し、その目に貴恵と和哉同様の『憧憬』の想いを感じ取って以来…

 何度…

 何夜…

 そして幾晩と…

 ゆかりさんを想い、夢想し、意識をし、心を震わせ、疼かせて、眠れぬ夜を過ごしたことだろうか…

 いや、幾晩と、ゆかりさんを想い、夢想し、指先で慰め、快感に溺れたであろうか…

 そして…

 その慰めれば慰めるほどに…

 この甘く、柔らかな唇の感触を求め、狂おしい位に切望したのだろうか…

 この甘く、柔らかい感触に…




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