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　51　女子トーク（12）

「えっ、あっ、あ、な、無いわよ、無いけど…
　あ、ほ、ほらぁ、美冴さんの気持ちが良く分かるっていうかぁ…」

　と、わたしは慌てて否定する…

　ドキドキドキドキ…
　だが、美冴さんはわたしをジッと見つめてきた。

　ズキズキズキズキ…
　そして、その美冴さんの目に、また再び疼きを感じてしまう。


「あ…、で、でも…
　わたしの場合は、ある意味、ファザコンだったかなぁ？」

　そしてわたしは慌てて話題を変えたのだ…
　そして、自分の話しをしていく。

　いや、話題を変えたという訳ではなく…

　これもワインの酔いと、心の昂ぶりによる疼きのせいといえるのかもしれない…

　そしてこの女子トーク的な雰囲気が、心と口を軽くしてくるのかもしれない…

「え、フ、ファザコン？…」

「うん、ファザコンよ…」

　そしてわたしは、あの約３年前の電撃結婚からの電撃離婚までの流れを美冴さんに話し始めていく…

「ファザコンは、わたしの元夫のことなのよね……
　彼の父親は都議会議員の議長を務める程の都政の、いや、国会にも影響与える位の重鎮議員だったのよ……」

　だから、わたしのその電撃結婚のウラにはそんな都議会議員の父親というブランドにも惹かれた意味もあったという事…

　そしてその頃のわたしは、よりキャリアアップを目指していた、イケイケのバリバリだった…
　と、いう事までを一気に話していったのだ。

　そして、そんな感じからのすれ違いの積み重なりによる元夫の浮気が決め手で離婚…
　つまり、電撃離婚になってしまった、とまでを話した。

「す、すれ違いの浮気…」
　美冴さんは不思議そうな顔で呟く。

「うん、そう…
　そうなのよ、ヤツはさぁ………」
　そしてわたしは元夫とのすれ違いの原因を話していく。

「あまりにもさぁわたしとの営業成績に差が出てしまい、ヤツは焦り、父親に頼ったんだけどね…」
　
　元々、これまでのヤツの営業成績の全てが議員である父親のコネクションによるもので、だけど、さすがに父親もネタ切れになってさぁ…

「そうしたら、ヤツはふて腐れて、なんとさぁ…」