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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 187 大原本部長との電話(27)

 わたしは激白した事によって、そしてそれにより彼の愛を再確認できて、わたしは満足、スッキリできたのである…

 そしてわたしは、すっかりいつもの感じに戻っていた。

『いや、でも…』
 だが今度は、わたしが彼を散々煽り、刺激してしまったのである…
 今度は浩一さんの昂ぶりが簡単には治まりそうもなくなってしまったようである。

「ああ、ごめんなさい…
 わたしが、わたしが我が儘を言ってしまったばっかりに…」
 これも本音であり、責任を感じてしまっていた。

『いや、そんな、我が儘なんかじゃないさ、当たり前の想いだよ』
 するとそう言ってくれる。
 そしてその言葉から、彼の優しさが伝わってきたのだ。

「ああ、でも…、でも…
 本当に大丈夫ですから…
 ちゃんと15日の夜まで待てますから、待ちますから…」

 だが、もう、わたしは落ち着いた…

 いや、本当は落ち着いたフリなのかもしれないが…

 逢いたいのだが、逢いたくもないのである…

『あ、いや、だが…』

「あの…、わたし、なんだかんだ言っちゃいましたが、その、プチ同窓会の話しも本気で思っていて…
 アナタに、浩一さんには、本当に久しぶりの地元で懐かしいお友達と愉しんで欲しいって、本気で…」
 それも、冷静な時には本気でそう思っていたのだ。

 久しぶりの帰省なのだから…と。

 だが、ザワザワがまだ止まらない…

「ごめんなさい…
 本当にごめんなさい…
 せっかくの田舎を、地元を愉しんでください」
 今度はわたしは必死に謝る。
 
 そしてまた再び、本音が、本当の自分の想いがグチャグチャになってきてしまい…
 訳が分からなくなりつつあったのだ。

『うん…わかった…よ』
 だが、彼は、こんなわたしの心情を察してくれたのか、ようやくそう言ってくれた。


 だがその言葉を受けて、今度はまた天の邪鬼な想いが揺れてくる…

 心の底には、わたしが行くか…

 もしくは彼がが東京に来るか…

 ある意味、そうした方がいい…
 



 


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