
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
177 大原本部長との電話(17)
『いや、本当だよ、本当に大丈夫なんだよ…』
そして彼は、おそらく担当医との会話なのであろう…
を、わたしに話してきたのである。
「そうなんですか…
ならよかったです…けど」
だが、その内容には納得が出来たのだが、けど…
さっき慌てぶりが気に掛かるのだ。
あ…
もしかしたら、おそらく今タクシーに乗っている様な背景の音を感じるから、そして思わずわたしがワンコールで出たのも合わせて慌てたのかも?…
「けど……」
だけども、まだ、懐疑的な想いは消えない…
『うん』
「本当なんですよね…
本当に、お母さまは大丈夫なんですよね?」
一応、念を押す。
『ああ、本当に大丈夫だよ、ありがとう…』
すると、ようやく、安心できる様な声音に変わったのである。
「ああ、よかったわぁ」
そしてようやくわたしはホッとした。
彼は、浩一さんは嘘がヘタなのだ、だからわたしは、電話での微妙な声音の変化には思わず敏感になってしまうのである。
「だってぇなんかぁ、浩一さ、あ、ほ、本部長の感じが変なんですものぉ…」
あ…
わたしは思わず、会社内で、彼のことを、大原本部長のことを『浩一さん』と下の名前で呼んでしまったのである。
ヤバい、つい、名前を呼んでしまった…
『うん、ありがとう』
だが彼は、その事には気付いていないようである。
「でもぉ、本当に良かったですねぇ」
わたしは必死に誤魔化す、まあ、気付いていないからスルーであったのだが…
だが、初めての失態に、少しドキドキしてしまっていた。
わたしはこうしていつ、油断して、人前で彼の名前を呼んでしまうかもしれないからと、プライベートでも、つまりは二人きりになったとしても、余程の事が無い限りは普段から名前を呼ばない様にしていたのである…
だが、しかし、今、つい、うっかりと名前を呼んでしまったのだ。
ヤバい、気を付けなくては…
逆に云えば、そのくらい、動揺してしまった、いや、遡れば、蓮からの着信の不惑さと不安のせいもあったのだと思われる。
『うん、まあ、結果的にはひと安心だよ…』
しかし、彼は、そんなわたしの動揺と、不惑さと、不安等には気付いてはいない。
そしてわたしも気付かれたくはなかったのである。
「ええ…」
『いや、本当だよ、本当に大丈夫なんだよ…』
そして彼は、おそらく担当医との会話なのであろう…
を、わたしに話してきたのである。
「そうなんですか…
ならよかったです…けど」
だが、その内容には納得が出来たのだが、けど…
さっき慌てぶりが気に掛かるのだ。
あ…
もしかしたら、おそらく今タクシーに乗っている様な背景の音を感じるから、そして思わずわたしがワンコールで出たのも合わせて慌てたのかも?…
「けど……」
だけども、まだ、懐疑的な想いは消えない…
『うん』
「本当なんですよね…
本当に、お母さまは大丈夫なんですよね?」
一応、念を押す。
『ああ、本当に大丈夫だよ、ありがとう…』
すると、ようやく、安心できる様な声音に変わったのである。
「ああ、よかったわぁ」
そしてようやくわたしはホッとした。
彼は、浩一さんは嘘がヘタなのだ、だからわたしは、電話での微妙な声音の変化には思わず敏感になってしまうのである。
「だってぇなんかぁ、浩一さ、あ、ほ、本部長の感じが変なんですものぉ…」
あ…
わたしは思わず、会社内で、彼のことを、大原本部長のことを『浩一さん』と下の名前で呼んでしまったのである。
ヤバい、つい、名前を呼んでしまった…
『うん、ありがとう』
だが彼は、その事には気付いていないようである。
「でもぉ、本当に良かったですねぇ」
わたしは必死に誤魔化す、まあ、気付いていないからスルーであったのだが…
だが、初めての失態に、少しドキドキしてしまっていた。
わたしはこうしていつ、油断して、人前で彼の名前を呼んでしまうかもしれないからと、プライベートでも、つまりは二人きりになったとしても、余程の事が無い限りは普段から名前を呼ばない様にしていたのである…
だが、しかし、今、つい、うっかりと名前を呼んでしまったのだ。
ヤバい、気を付けなくては…
逆に云えば、そのくらい、動揺してしまった、いや、遡れば、蓮からの着信の不惑さと不安のせいもあったのだと思われる。
『うん、まあ、結果的にはひと安心だよ…』
しかし、彼は、そんなわたしの動揺と、不惑さと、不安等には気付いてはいない。
そしてわたしも気付かれたくはなかったのである。
「ええ…」
