
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
170 着信
わたしはそんな彼、大原本部長の愛情と存在感を感じ、実感し、ランチを終え、部長室に戻り、そして心は平和に、穏やかに落ち着き、再び仕事の続きに集中できたのである。
あらかた予定していた仕事内容を終え、後は新加入予定の『伊藤敦子さん』の新プロジェクト内でのポジションを何処に置くか、どの位置に据えるか…
を考えていたら、わたしの携帯電話が着信した。
あ、もしかして彼からかも?…
わたし達は彼が帰省した昨夜から、電話で話していなかったのだ。
お母さまの緊急入院という事情もあり、電話するタイミングを図りかねてしまって、わたしからは電話し辛かったのである…
だが、携帯電話のディスプレイに表示された電話番号はメモリー外の見知らぬ番号であった。
あら、誰だろうか…
最近、特に携帯電話の普及がどんどんと進み、今や、中学生や小学生も持ち始めていたから、実は、案外、間違い電話も多くなってきていたのである。
間違い電話かな…
そう想い、一瞬、出るのを躊躇したのだが、とりあえずこの電話は公私共に使用していたから、万が一仕事絡みの着信の可能性があった、だがら、一応出る事にした。
「…はい…もしもし…佐々木…です…」
しかし、その着信は…
最悪の着信であったのだ…
「もしもし……ゆかり姫?…」
その声を聞いた瞬間に、愕然と、そしてがっくりと力が抜ける想いがしたのである。
「僕だよ……三山連太郎…
あ…違う……蓮だよ…ゆかり姫…」
それは…
最悪の男からの…
真っ黒な黒歴史の生き証人からの着信であった…
わたしはそんな彼、大原本部長の愛情と存在感を感じ、実感し、ランチを終え、部長室に戻り、そして心は平和に、穏やかに落ち着き、再び仕事の続きに集中できたのである。
あらかた予定していた仕事内容を終え、後は新加入予定の『伊藤敦子さん』の新プロジェクト内でのポジションを何処に置くか、どの位置に据えるか…
を考えていたら、わたしの携帯電話が着信した。
あ、もしかして彼からかも?…
わたし達は彼が帰省した昨夜から、電話で話していなかったのだ。
お母さまの緊急入院という事情もあり、電話するタイミングを図りかねてしまって、わたしからは電話し辛かったのである…
だが、携帯電話のディスプレイに表示された電話番号はメモリー外の見知らぬ番号であった。
あら、誰だろうか…
最近、特に携帯電話の普及がどんどんと進み、今や、中学生や小学生も持ち始めていたから、実は、案外、間違い電話も多くなってきていたのである。
間違い電話かな…
そう想い、一瞬、出るのを躊躇したのだが、とりあえずこの電話は公私共に使用していたから、万が一仕事絡みの着信の可能性があった、だがら、一応出る事にした。
「…はい…もしもし…佐々木…です…」
しかし、その着信は…
最悪の着信であったのだ…
「もしもし……ゆかり姫?…」
その声を聞いた瞬間に、愕然と、そしてがっくりと力が抜ける想いがしたのである。
「僕だよ……三山連太郎…
あ…違う……蓮だよ…ゆかり姫…」
それは…
最悪の男からの…
真っ黒な黒歴史の生き証人からの着信であった…
