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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 165 揺らぎと困惑

 すると再び、ザワザワと騒めきが起きてきた…

 ヤバいわ…

 スタッフが通る度に彼女達を注視してしまう…
 つまり、なんとわたしは、無意識にガン見してしまうのである。
 そして、その度に胸が、心が、さっきの電車内での妄想の戸惑いと、揺らぎ、そして昂ぶりを想い出させてしまい、ザワザワ、ドキドキと高まってしまうのだ。

 あぁ、コレじゃぁ、まるで、女性に対してガン見し妄想を重ねる変態オヤジみたいじゃないか…

 今まで、このある意味女性ばかりの職場に居て初めて感じた想い、感情、騒めきであった。

 ええ、ヤバいわ…

 まるであの頃の彼、大原本部長みたいだわ…

 そう、それはまだ蒼井美冴さんが
『黒い女』だった時、彼がよく彼女のいつも穿いていた黒いストッキング脚を見つめていた…
 そんな仕草、視線と同じ様であった、いや、多分、同じ感覚なんだと思われる。

 そして更にドキドキしてきてしまっていたのだ…

 なぜならば、こうしてどちらかというと性的な想いの思考でここの女性スタッフ達を見つめていくと…
 たくさんの美しい、美人な、可愛い女の子ばかりなのであったのだ。

 コールセンターオペレーターのスタッフは全員人材派遣スタッフなのだが、もちろん仕事は電話対応のみでお客様とは声、言葉のみの対応であり、直接お客様に会う事はほぼ100パーセント無いのであるから、容姿の優劣は求めていないのだが、まるで採用の基準事項に容姿の優劣があるかの位に皆、それぞれ容姿端麗なのである。

 今まで気が付かなかったわ、いや、考えた事も、意識した事も無かった…

 ある意味、男性には天国的な職場じゃないか…

 よく…彼、大原本部長は部長時代に比較的穏やかでいられたモノだわぁ…
 そんな的外れ的な感心をしてしまう。

 そして、比較的若い、独身のウチの三人の営業課員達がそわそわしているのも、杉山くん曰く、何度となく合コンをした事があるっていう事にも頷けたのである。

「ふうぅ…」
 わたしは戸惑いと、困惑、そして疼きがなかなか収まらないでいた。
 そして気分転換にとトイレに向かう。

 あ…


やはり、わたしはさっきの電車内で濡らしてしまっていた…

 つまり、先ほどの妄想と昂ぶりは欲情であった…
 と、いう事であるのだ。

 やだ、あり得ない…





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