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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 163 妄想に昂ぶる…

 あっ、あれは…

 キスマークだわ…

 しかも色が濃い…

 昨夜にでも、彼氏に付けられたのかなぁ?…
 ふと、そのキスマークを見てそう思った瞬間であった。

 ドキドキ…

 ザワザワ…

 急にわたしの胸が、心が高鳴り、騒ついてきたのである。

 そして、な、なんと、わたしの脳裏には昨夜の美冴さんを想定した自慰行為をしたのだ…
 という、想い、そう罪悪感なのか?、いや、違うのだ、昂ぶり、昂ぶる想いの疼きが蘇ってきたのだ。

 ドキドキドキドキ…

 えっ、な、なに?、なんなの?…

 わたしは一気に戸惑い感じ、そして、更に昂ぶりを感じてきてしまう。

 そして一瞬だが、彼女と目が合った、いや、合った気がしたのである…

 ズキズキズキズキ…

 な、なんで…

 ドキドキドキドキ…

 わたしはこの疼きの昂ぶりと、心の高鳴りに一気に戸惑取ってしまっていた。

 そして…

 な、なんと…

 その彼女を後ろから抱き締めている想い…

 想像…

 いや、妄想をしてしまったのである…

 さすがにそれには焦ってしまう。

 だが、ダメなのだ…
 どうしても、その妄想が脳裏から消えないのである。
 そして、ますます彼女から目が離せなくなってきてしまっていたのだ。

 あぁ、えっ、な、なんで…
 と、戸惑う心と
 更に彼女を後ろから羽交い締めにしながら、その白いブラウスのボタンを一つ一つ外しながら脱がそうとしている自分の妄想…
 が、暴走していたのである。

 あぁ、彼女とキスしたい…

 抱き締めて、わたしもうなじにキスマークが付く程に吸い付きたい…

 妄想なのか…

 願望なのか…

 戸惑う想いはこの彼女に対する嗜好の想いに瞬く間に覆われてしまっていった。

 あ…

 そして、ズキズキと激しい疼きを自覚をし

 ぬ、濡らしてるかも…

 激しく心が揺れてきたのだ。


「あぁ…」
 だが、そんな妄想のピークのタイミングで電車が停車をし、一気に乗客が乗り込んできて、わたしの視線からあの彼女を遮ったのである。
 しかも遮ったのが、全く心が触れない様な、小太り気味の中高年の男性の後ろ姿であった。

「はぁぁ、ふうぅ…」

 そして妄想は一気に消え去り現実に戻り、わたしは思わず安堵の吐息、いや、ため息を漏らしたのだ…





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