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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 162 キスマーク

 だが、たまには…

 そう、こんな休日出勤の朝等は、通勤電車も空いているから気分転換を兼ねて電車に乗ったりする事にする。

 わたしの住んでいる羽田エリアから会社のある西新宿へ電車通勤で最短なのは、私鉄を利用して渋谷周りが一番最適ルートなだが、今朝は本当に心だけでもなくカラダも軽かったのだ…
 だから遠回りになるのだがモノレールから乗る事にした。

 なんとなく、そんな気分なのであった…

 お盆休み真っ只中、そして真夏真っ盛りではあるのだが、今朝マンションから出たら意外に爽やかであった…
 だから時間にも余裕があるから少し足を伸ばして、モノレールに乗ったのである。
 
 そしてやはり、予想通りに駅も、モノレールも、電車もガラガラであった…
 の、だが、わたしは、全く、予想外の、予想だにしなかった心の騒めきを感じてしまう事になったのだ。
 
 それは浜松町駅でJRに乗り換えた時であった…
 まだまだ休日の朝なので電車内は余裕で座れた。
 そしてわたしは座りながらふと、目の前に立っている、そう、20代後半の、どちらかというとわたしに近い年齢の女性に目が向いたのだ。

 あら、綺麗な女性だわ…
 その女性はお盆休みにも関わらずに紺ベースのスーツを着ており、白い開衿襟のブラウスからなんとなく清潔感を感じさせてきていた。

 わたしと同じに休日出勤なのかなぁ…
 と、そんな事を想いながら、その彼女を軽く見つめていく。
 その彼女のヒールの脚が、ナチュラル系のストッキングが、綺麗な輝きと、脚のラインを生んでいる。

 ああ、ストッキングフェチの彼ならば、大原本部長ならば、きっと彼女のこのストッキング脚に視線が釘付けになっちゃうんだろうなぁ…
 と、ぼんやり眺めていた。

 そして…

 今日辺りに仕事なんだからどんな仕事をしているのかなぁ?…

 バリバリ仕事出来そうだなぁ…

 あら、可愛いピアスだわ…
 等々、ぼんやりとそんな事も考えていたのだ、だが、ふと、彼女のあるモノを発見してしまったのである。

 あっ、あれは…

 キスマークだわ…

 そう、その彼女がわたしに対して正面を向き、そして何気なく髪を掻き上げた時に、白いブラウスの開衿襟の隙間からキスマークが覗けたのであった。

 しかも色が濃い…

 




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