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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 23 女三人の酒宴

「じゃあ伊藤さんこれからもよろしくね、カンパーイ」
 わたしは梅酒サワー、越前屋さんと伊藤さんの二人は焼酎水割りで乾杯を交わす。 

「はいどうぞ、朋美がお世話になってますぅ…」
 すると越前屋さんの叔母さんである女将さんが、なんと豪華なお刺身の舟盛りをサービスで持ってきてくれたのっある。

「あら却ってすいません、ありがとうございます」
 速攻お礼をする。

「あぁ叔母さんありがとう」
「室長さん、これから本当に朋美をよろしくお願いしますね」
 女将さんは深々と頭を下げてきた。

「いえ、本当にありがとうございます」
 そんな流れから、女三人の酒宴が始まったのである。

「伊藤さんもイケる口なのね?」
 焼酎水割りを飲んでいるので思わず訊いたのだ。

「あ、はい、この『えつ』にはかなわないですけどまあまあイケます」
 と、笑みを浮かべて言ってきた。
 そう、見かけと違って越前屋さんは酒豪なのだ。

「もお『あっちん』そんなこと言わないでよぉ」
 越前屋さんが和やかに返してくる。

「いや本当でしょ、えつにはかなわないわよ」

 越前屋さんがえちぜんやの『えつ』で
 そして伊藤さんは敦子だから
『あっちん』なんだ…

「室長さんは?」

「え、わたしはねぇ、お酒は好きだけど強くはないわ…
 うーんとねぇ、だいたい3、4杯が精一杯かなぁ…」

 それ以上はヤバいかも…

「そういえばぁ、室長は今夜は本当はぁ、彼氏さんと予定があったんじゃないんですかぁ?」
 と、お酒が入ってノリノリになってきた越前屋さんがそう訊いてきた。

「え、いや…わたし…彼氏…いないし…」
 そうすかさずかわす。

 さすがに本当の事は言えないし、とりあえず彼氏の類はいない…
 と、いう事で社内的には通してあるのだ。

「ええっ、ゆかり室長ぉっ、彼氏いないんですかぁっ」
 すると越前屋さんはそう小さく叫び、そして…
「じゃあ、わたしを含めたこの美女三人、全員男ナシっていう事なんですねぇ…
 もったいないですよねぇ、こんなぁ美女三人がねぇ…」
 そう満面に笑みを浮かべて言ってきた。
 本当に越前屋さんのお酒は明るくて楽しいお酒である。

「え、伊藤さんも…なの?」
 するとわたしはそんな越前屋さんの言葉に思わず反応してしまう。

「あ…はい…男には…興味なくてぇ」
 


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