ほしとたいようの診察室
第9章 ひとときの外出
「っていうか、陽太先生。普段料理するんですか?」
つんけんした口調になって言うけれど、
「ううん。ほとんどしない。お手柔らかに」
陽太先生は穏やかに答えながら手を洗う。
いつものように洗っているのか、肘まで丁寧に洗う姿は、まるっきり医療従事者のそれである。
それをみていたら、なんだかおもしろくなってきた。
最初はわたし1人で作って、食べてもらうことを考えていたけれど、辞めた。
陽太先生がせっかく「一緒にいたい」と言ってくれるなら。
一緒にいることを楽しむに越したことはない。
反撃させてもらおう。
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