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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く



「胸の音も聴くよ」


吹田先生はいつも通り、真剣な表情でわたしの胸に聴診器を当てる。


「……うん。問題なし」


忙しくカルテにメモをとりながら、キーボードを穏やかにたたく。


「ホルモン剤も、体が慣れてきたみたいだね。吐き気も腹痛も最近はなくなってきたみたいだし。」



吹田先生は椅子を回転させてわたしを正面から見つめると、にっこり笑ってこう言った。





「さて、じゃあ。ご褒美をあげなきゃかな」







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