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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く




診察室へ訪れると、今日は、吹田先生の表情も柔らかい。


「のんちゃん、その顔は……わかりやすいね。大海先生から、退院を検討してる話を聞いたかな?」


わたしの顔に全部書いてあるのだろうか。吹田先生は、開口一番にそう言った。


「……はい」


照れながらも、頷く。


「何もなければ、そのつもりだよ。しかし、ここ2週間でだいぶ安定してきたね。喘息のコントロールもできてきてる。発作も少なくなったね」


結果の紙を見ながら、吹田先生は頷く。


入院してきた日とは、見違えるほどに体の調子が良くなってきているのがわかって、わたしも嬉しかった。

退院の話が出るくらいに良くなっていることも背中を押して、今日はすこぶる心が軽かった。





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