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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く




「退院の日付は吹田先生と話し合うけど、様子見て1・2週間以内には許可が出せそうかな」



「……!! ほ、ほんとですか!!」





この苦しかった入院期間は、もうすでに思い出したくないくらいである。

様々なことがあった。ありすぎたくらいに。



やっと、解放される……!
胸が躍り、凍っていた心が溶け出すような感覚になる。

早く自由になりたいなぁ……。
食堂でも、働きたい。
料理をしたい。みんなが笑顔になるような、そんな食事を作りたい。



やりたいことが次から次に浮かんで、頬が緩まる。

そんなわたしに、大海先生は釘を刺すことを忘れない。



「うん。とはいえ、退院までは安静にね。決定ではないから。よく食べて、よく寝て、具合が少しでも良くなかったら言うんだよ?」


「はい!」


元気に返事をして、診察室を後にする。

これでも十分に嬉しいニュースだったが、吹田先生からの太鼓判がないと安心はできない。



ふわふわと浮きそうになる足取りを抑えながら、次は吹田先生のもとへ向かった。



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