ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
「俺が治すって約束だけは、してあげたい。俺が治さなきゃ。あの子の心の拠り所は、今、俺だから。」
治してあげたい。決して治らない病気ではないのだから。
長くなったとしても、ずっと支えて付き合っていく覚悟はあった。
そして、こうやって諦めないで味方でいる医者が、ひとりでもいることが、のんちゃんの拠り所になるはずだと思っているから。
「ふふ、言い切ったね。それがあるから、あの子はちゃんと日野くんについていくんだなぁ……」
酒が少なくなったお猪口に、日本酒を追加で注いでやると、吹田先生はご機嫌そうに笑った。
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