ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
忘れていたけど、吹田先生は、合理化•効率化の鬼である。無駄は大嫌い、ぼやかした答えも好きではない。
吹田先生は、昔から、全てを正確に計算してから行動するようなところがあり、俺にはとても真似できたものではない。
「それは……」
言い淀むと、さらに言葉を畳み掛けてきた。
「日野くんのその、感覚頼りなところ、約束する時は使わないほうがいい」
枝豆を口に含みながら、ピシャリっと言い放った。
それはもう、なにか食べながら言うような鋭さではないくらいに。
勘弁してくれと言いたくなるくらい、痛いところを突かれっぱなしだった。
言葉で吹田先生に勝ることはできない。
しかしこのままくらってばかりもいられず、「でも」と反射的に言い返した。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える