ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
……
のんちゃんが病棟を脱走したのは、確か、この年の夏のことである。
幸いにも新しい薬が効いて、治療が軌道に乗ってきた頃だった。
暑い夏。外まで逃げ出していたらどうしようと、病棟中が凍りついていた。
大騒ぎしながら全てを探して、最後にのんちゃんを見つけたのは、同期の吹田先生だった。
大泣きするのんちゃんを、吹田先生のもとへ引き取りにいったのは、俺だった。
泣きながら抱っこを求めてくる、どこか安心したような顔をしたのんちゃんをみて、叱るのも忘れた。
俺も、のんちゃんが何事もなく見つかったことに対して、ほっとしていた。
のんちゃんが病棟を脱走したのは、確か、この年の夏のことである。
幸いにも新しい薬が効いて、治療が軌道に乗ってきた頃だった。
暑い夏。外まで逃げ出していたらどうしようと、病棟中が凍りついていた。
大騒ぎしながら全てを探して、最後にのんちゃんを見つけたのは、同期の吹田先生だった。
大泣きするのんちゃんを、吹田先生のもとへ引き取りにいったのは、俺だった。
泣きながら抱っこを求めてくる、どこか安心したような顔をしたのんちゃんをみて、叱るのも忘れた。
俺も、のんちゃんが何事もなく見つかったことに対して、ほっとしていた。
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