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ほしとたいようの診察室

第7章 回想、主治医の苦悩






「今日はさ、陽太先生もちっくん頑張るよ」





「よーたせんせーも?」



なんで? というように、大きな瞳が揺れる。




「うん、俺も頑張る。いつものんちゃんが頑張ってるから」




そう、もうすでにのんちゃんは頑張っているのだ。
これは、忘れてはいけない。
入院している、治療を受けて安静にしている、ただそれだけで、褒められたものである。



頑張っている、と言われたのんちゃんは、満更でもなさそうな表情をする。



「あとさ、今日はちっくんのとき、優先生も来てくれるから、一緒にかっこいいところ見せようよ」




「……! ゆーせんせに、あえるの?」




揺れた瞳が、さらに嬉しそうに輝いた。


久しぶりに、優先生に会えることが、採血の恐怖より少しだけ大きくなったようだった。



「うん。だから、ちっくん頑張ろ!」








恐る恐るではあるが、のんちゃんは頷いてくれた。







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