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ほしとたいようの診察室

第7章 回想、主治医の苦悩

……



数日後。
ナースステーションにいる、蒼音くんを捕まえる。




「蒼音くん」


話しかけると、蒼音くんはちょっと逃げ腰。
俺に話しかけられたら、絶対、のんちゃん関連の話題だとわかっているからだろう。


「なんですか?」


蒼音くんは、今年から常勤ナースになったばかりである。


「採血の練習、したいよね?」


「え、まあ……」





「したいよね???」




迷いつつ頷く蒼音くんに、語尾を強める。

はいかYESしか要らないのだ、この問いには。


「は……はい」


諦め気味に、蒼音くんは頷く。



「よし、決まり! 俺、腕貸すからさ、ちょっと頼まれてくれない?」



にんまり笑う俺を、怪訝そうに見つめる蒼音くん。


「嫌な予感するんですけど……」



その嫌な予感は、だいたい当たっている。




……

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